ドメインの管理会社(レジストラ)を変更することを「ドメイン移管」または「レジストラ移管」といいます。サーバーを乗り換えるタイミングや制作会社から管理を引き継ぐときに必要になることがあります。
この記事では、ドメイン移管の手順と、失敗しないための注意点を説明します。
ドメイン移管が必要になる場面
ドメインの管理会社を変える主な理由は次のとおりです。
- 新しいレンタルサーバー会社でドメインをまとめて管理したい
- 制作会社が管理していたドメインを自社に移管したい
- 現在の管理会社のサービスが終了する、または料金が高い
- ドメインの更新費用を安くしたい
なお、サーバーを変えるだけであればドメイン移管は必須ではありません。DNSの設定変更(AレコードやMXレコードの変更)でサーバーを切り替えられます。ドメイン移管はドメインの管理会社自体を変えたいときに行う手続きです。
移管前に確認すること
移管を始める前に、現在のドメインの状態を確認しておきましょう。
ドメインの有効期限
ドメインが失効間近の場合、移管の手続き中に有効期限が切れることがあります。残り期間が30日以下の場合は、まず現在の管理会社で更新してから移管手続きを進めてください。
レジストラロック(移管禁止設定)の解除
ドメインの不正移管を防ぐためのセキュリティ設定として、「移管ロック」「Transfer Lock」「レジストラロック」などの名称で移管を禁止する設定が有効になっていることがあります。
現在の管理会社の管理画面でロックが有効になっている場合は、移管手続きを始める前に解除してください。解除後、反映まで数時間〜1日程度かかることがあります。
AuthCode(認証コード)の取得
ドメインの移管には「AuthCode」「EPP Code」「移管認証コード」などと呼ばれる認証コードが必要です。現在の管理会社の管理画面から発行・確認できます。
.co.jpドメインや.jpドメインの場合は、AuthCodeではなく「指定事業者変更確認書」などの書類が必要になることがあります。ドメイン種別によって手続きが異なるため、移管先の管理会社のサポートページで確認してください。
Whois情報の確認
ドメインの登録情報(Whois情報)に記載されているメールアドレスが有効かどうかを確認してください。移管手続き中に、このメールアドレス宛に確認メールが届くことがあります。
古い担当者や退職した社員のメールアドレスが登録されている場合は、先にWhois情報を更新しておきましょう。
ドメイン移管の手順
一般的なドメイン移管の手順を説明します。.comや.netなどの汎用ドメインを例に進めます。
1. 移管先(新しい管理会社)を決める
移管先のレジストラを選びます。ドメイン管理会社として一般的なのは、お名前.com・ムームードメイン・スタードメイン・さくらのドメインなどです。移管後の年間更新料金を比較してから選ぶとよいでしょう。
2. 現在の管理会社でレジストラロックを解除する
現在の管理会社の管理画面にログインし、ドメインの移管ロックを解除します。解除操作の場所はサービスによって異なります(「ドメイン設定」「セキュリティ設定」などのメニュー内にあることが多いです)。
3. AuthCodeを取得する
同じく現在の管理会社の管理画面から、AuthCode(認証コード)を取得します。サービスによっては「EPP Code」「移管用コード」などの名称で呼ばれます。コードはメールで送付されることもあります。
4. 移管先で移管申請を行う
移管先の管理会社のサイトで移管申請を行います。申請時にドメイン名とAuthCodeを入力します。
移管には手数料がかかることがあります(無料の場合もあります)。また、移管と同時にドメインの有効期限が1年延長されることが多いです。
5. メール認証に対応する
移管申請後、Whois情報に登録されているメールアドレス宛に確認メールが届きます。メール内のリンクをクリックして移管を承認します。
承認しない場合、申請から5〜7日程度で自動的に移管が進む(または移管がキャンセルされる)場合があります。ICANN(ドメインを管理する国際機関)のルールによって手続きが異なるため、移管先のサポートページで確認してください。
6. 移管完了を確認する
移管が完了すると、移管先の管理画面でドメインが管理できるようになります。移管完了後は、DNS設定(ネームサーバー・AレコードなどのDNSレコード)が正しく引き継がれているかを確認してください。
移管によってネームサーバーの設定がリセットされる場合があります。Webサイトやメールが正常に動作しているかを確認しましょう。
移管中の注意点
ドメイン移管中は、サイトやメールに影響が出る可能性があります。
DNS設定がリセットされることがある
移管先によっては、移管完了時にネームサーバーの設定が移管先のデフォルト値にリセットされることがあります。その場合、Webサイトやメールが正しく表示されなくなることがあります。
移管完了後すぐにDNS設定を確認し、必要に応じてAレコード・MXレコードを設定し直してください。
移管中はDNS変更ができないことがある
移管手続き中(申請〜完了)の数日間は、一部の管理会社でDNS設定の変更ができなくなることがあります。この間にサーバー移転のDNS切り替えを並行して進めると混乱が起きやすいため、移管とサーバー移転は時期をずらして行うことをおすすめします。
移管にかかる期間
一般的なドメイン(.com・.netなど)の移管は、手続き完了から数日(通常3〜7日)かかります。.co.jp・.jpなどの日本のドメインは手続きが異なり、書類が必要な場合は1〜2週間かかることがあります。
よくある失敗と対処
移管手続きで繰り返し起きるトラブルのパターンと、それぞれの対処方法を整理します。
AuthCodeが届かない・使えない
AuthCodeはレジストラロックが解除されていないと発行されない場合があります。ロック解除を先に行ったか確認してください。また、コードに有効期限(7日〜30日程度)が設定されていることがあります。期限切れの場合は再発行が必要です。
移管後にメールが届かなくなった
ネームサーバーまたはMXレコードの設定が引き継がれなかった可能性があります。移管先の管理画面でMXレコードを再設定してください。設定値が分からない場合は、旧管理会社の管理画面やDNS確認サービス(dig、nslookupなど)で旧設定を確認します。
Whoisの確認メールが届かない
Whois情報に登録されているメールアドレスが使えない状態になっている場合です。移管申請前にWhois情報を最新の連絡先メールアドレスに更新しておくことで防げます。
まとめ
ドメイン移管はレジストラロックの解除・AuthCodeの取得・メール認証という3つのステップが基本です。
移管中にDNS設定がリセットされる可能性があるため、移管完了後すぐにWebサイトとメールの動作を確認してください。サーバー移転と同時期に進めると混乱しやすいため、作業の順序は計画的に決めることをおすすめします。