レンタルサーバーは「後で変えればいい」と思いがちですが、メールやWordPressが絡む環境では変更の手間が大きくなります。契約前に一度、現在の状況と必要な条件を整理しておくと、後悔のない選択につながります。
この記事では、特にIT担当者がいない中小企業に向けて、契約前に確認しておきたい項目をチェックリスト形式で整理します。
1. 用途と要件の確認
まず、自社がサーバーで何をしたいかを明確にしましょう。
- [ ] Webサイト(HTML静的ページ)の公開だけか
- [ ] WordPressで更新するサイトを運用するか
- [ ] メールアドレス(自社ドメイン)を使うか
- [ ] 複数のサイトやドメインをまとめて管理するか
- [ ] ECサイトや会員サービスなど動的な機能が必要か
- [ ] SSL証明書が必要か(現在ほぼ全サイトで必要)
- [ ] 定期的なバックアップが必要か
用途が複数ある場合は、すべての要件をまとめてから比較しましょう。
2. ドメイン関連の確認
ドメインの管理会社とサーバー会社は別であることが多いです。誰がどこで管理しているかを先に確認しましょう。
ドメイン管理状況
現在ドメインを所有している場合は、管理会社と有効期限を確認します。
- [ ] 使用するドメイン名を把握しているか
- [ ] ドメインの管理会社(お名前.com、ムームードメイン、バリュードメインなど)が分かるか
- [ ] ドメイン管理会社の管理画面にログインできるか
- [ ] ドメインの有効期限を確認したか
ドメイン管理会社とサーバー会社は別であることが多いです。制作会社がドメインを管理している場合は、権限の確認と引き継ぎが必要です。
新規取得の場合
新しくドメインを取得する場合は、サーバーの特典条件とドメイン種別の違いを確認しておきましょう。
- [ ] 希望するドメイン名が取得可能か確認したか(whois検索)
- [ ] サーバーの「独自ドメイン無料」特典の条件を確認したか(更新時に費用がかかるか)
- [ ]
.co.jpと.jpと.comなどドメイン種別の違いを確認したか
3. DNS関連の確認
DNSはWebサイトとメールの両方に影響する重要な設定です。
- [ ] 現在のネームサーバー(NS)がどこかを確認したか
- [ ] DNSの管理画面にアクセスできるか
- [ ] AレコードやMXレコードなど主要なDNSレコードを確認できるか
- [ ] TTL(キャッシュ時間)の設定を変更できるか
DNSの変更には反映に時間がかかるため(TTLによって30分〜48時間)、移転時はあらかじめTTLを短く設定しておくとスムーズです。
4. メール関連の確認
メールを同じサーバーで使う予定があるか、すでに使っているかを確認しましょう。
- [ ] 現在メールは何で運用しているか(レンタルサーバー付属・Google Workspace・Microsoft 365など)
- [ ] メールアカウントの数と一覧を把握しているか
- [ ] 各メールのパスワードを確認できるか
- [ ] メールクライアント(OutlookなどPC側)の設定情報を持っているか
- [ ] 過去のメールデータのバックアップが必要か(POP3で受信している場合など)
- [ ] 移転時にメールが止まっても業務上問題ない時間帯はいつか
メールの移転は最も失敗しやすい部分です。不安な場合は、メールだけGoogle WorkspaceやMicrosoft 365に移行してからサーバーを変える方法も検討できます。
5. サーバー機能の確認
契約するサーバーに必要な機能があるかを確認します。
- [ ] 必要なディスク容量を満たしているか
- [ ] WordPressの簡単インストール機能があるか
- [ ] データベース(MySQL)の数と容量が足りるか
- [ ] 無料SSL(Let's Encrypt)に対応しているか、自動更新があるか
- [ ] バックアップ機能の保持期間と復元方法を確認したか
- [ ] WAF(不正アクセス対策)が標準またはオプションで提供されているか
- [ ] FTP・SSH・PHPのバージョンなど、技術的な要件を満たしているか
- [ ] メールアカウントの上限数が足りるか
6. サポート体制の確認
法人利用では、障害発生時に迅速に連絡できるかどうかが重要です。対応時間と手段を確認しましょう。
- [ ] サポートの対応時間(24時間・平日のみなど)を確認したか
- [ ] 電話・チャット・メールのどの手段で連絡できるか確認したか
- [ ] 障害情報の通知やステータスページがあるか確認したか
- [ ] 日本語サポートの品質について評判を調べたか
7. 料金・契約の確認
キャンペーン価格の条件と更新後の料金は見落としやすい項目です。契約前に通常価格まで確認しておきましょう。
- [ ] キャンペーン価格の適用条件(最低契約期間など)を確認したか
- [ ] 更新時(2年目以降)の料金を確認したか
- [ ] 途中解約した場合の返金ポリシーを確認したか
- [ ] 請求書払いなど法人向けの支払い方法に対応しているか
- [ ] 契約名義が法人名義にできるか確認したか
8. 管理体制の確認
担当者の退職や異動に備えて、ログイン情報の保管と引き継ぎの体制を決めておきましょう。
- [ ] サーバーの管理画面を誰が担当するか決まっているか
- [ ] ログイン情報(ID・パスワード)の保管場所が決まっているか
- [ ] 担当者が不在のときの代理対応者が決まっているか
- [ ] 制作会社がいる場合、どこまでアクセス権を付与するか決まっているか
分からない項目が多い場合
チェック項目のうち、特にDNS・メール・ドメイン管理まわりは、IT担当者がいない会社では把握が難しい場合があります。
「ドメイン管理会社が分からない」「制作会社が変わったタイミングでパスワードが不明になった」というケースは珍しくありません。
分からない項目が複数ある場合は、契約前に専門家に状況を整理してもらうことを検討してください。現状確認と必要な設定の整理を手伝ってもらえれば、契約後の作業がスムーズになります。