IT担当者がいない会社では、技術作業を保守会社へ任せ、社内は契約・支払い・連絡を管理する形が現実的です。サーバーの設定やWordPressの復旧を、詳しくない社員がすべて覚える必要はありません。
例えば、総務が更新通知と請求を受け取り、制作会社がプログラム更新を行い、追加費用がかかる変更だけ経営者が判断する形です。必ず3人を置くという意味ではなく、社内で決めることと外部へ頼むことを分ける考え方です。
社内で分かるようにしたいのは、契約と連絡先
最低限、サーバーとドメインをどこで契約しているか、いつ更新されるか、困ったときに誰へ連絡するかが分かれば、専門家へ対応を依頼できます。
会社のメールがサーバーと別のサービスなら、その契約先も含めます。数件の契約であれば、表計算や社内の共有文書に一覧を作る方法で十分です。すでに総務で管理している契約一覧があれば、別の台帳を増やさず利用しても良いかと思います。
パスワードは一覧へ直接書かず、会社で管理する保管先を記載します。担当者が休んでいても、必要な人が正式な方法で管理を引き継げることが大切です。
サーバー会社と保守会社では、対応範囲が違う
レンタルサーバーのサポートは、契約サービスの設定や障害を案内する窓口です。WordPressのテーマやプラグインの不具合まで、修正を代行するとは限りません。
制作会社や保守会社へ依頼するなら、次のように作業ごとに範囲を見ると分かりやすくなります。
| 作業 | 確認したい範囲 |
|---|---|
| WordPress更新 | 本体・テーマ・プラグインのどこまでか、不具合時に戻せるか |
| バックアップ | 保存されるデータ、復元を誰が行うか、別料金の有無 |
| サイト停止 | 受付時間、調査と復旧の範囲、時間外対応 |
| 文章・画像の修正 | 月額内でできる量と、追加見積もりになる作業 |
| 契約終了 | データと管理権限を引き継げるか |
「月額保守あり」だけでは、何を任せられるか分かりません。自社でできない作業が契約に含まれるかを見ると、安い契約と手厚い契約の差を判断しやすくなります。
普段は、通知と利用上の異常を見ます
社内の担当者が毎日サーバーログを読む必要はありません。更新料金の決済失敗、容量不足、バックアップ失敗などの通知が届いたときに、放置せず保守先へ相談できることが基本です。
サイトの表示や問い合わせ通知は、日常業務の中でも異常に気付きやすいところです。普段は問い合わせが少ないサイトでは、間隔を決めてテスト送信する方法もあります。保守会社が同じ確認を行っているなら、社内で二重に試す必要があるかは対応範囲次第です。
WordPressなどの更新確認を月に一度だけ行えば安全、という意味ではありません。悪用されている脆弱性など、緊急性が高い更新は定例を待たない対応が必要です。この判断を保守会社へ任せられるかも、契約時の確認点になります。
通知を増やすより、受け取った後の対応が重要です
死活監視は、サイトへ接続できないときに知らせる仕組みです。通知先が退職者のアドレスだけだったり、誰も読まない共有メールだったりすると、監視を入れても対応につながりません。
通常の通知は社内担当者へ、停止通知は保守会社にも届くなど、実際に対応できる宛先へ送ると役立ちます。監視サービスと保守契約が連動していなければ、通知だけでは作業依頼にならない場合があります。
夜間対応が必要かは、サイトの用途によって違います。翌営業日の復旧で支障が小さい会社案内サイトと、夜間にも注文を受けるサイトでは、必要な費用と対応時間が異なります。
サイトが止まったら、分からないまま設定を変えない
サイトが開かない場合は、サーバー会社の障害情報を確認します。自社のサイトだけの問題なら、表示されないURL、気付いた時刻、エラー画面、直前の変更を保守先へ伝えると調査しやすくなります。
原因が分からないままDNSやサーバー設定を変えると、元の不具合に別の問題が重なることがあります。不正アクセスが疑われる場合も、ログやデータを消す前に専門の窓口へ相談します。
メールも同時に使えなくなる構成なら、電話や別のメールサービスなど、サイト外の連絡先があると安心です。社内で技術的な原因を断定できなくても、現象と連絡先が分かれば対応を進められます。
担当交代では、通知と支払いも引き継ぐ
管理画面へログインできても、更新通知が前任者にしか届かなかったり、個人カードで支払っていたりすると、退職後に契約が止まるおそれがあります。
新担当者がログインと通知を確認してから、不要な旧権限を停止する順番です。保守を継続する制作会社の権限や、自動処理が使うキーまで一律に消さないようにします。
専任者がいない会社で続けやすいのは、技術作業を一人の社員に集める体制ではありません。契約は会社で把握し、分からない作業は相談できる保守先へ任せる形なら、詳しい担当者を急に育てなくても管理を続けやすくなります。