サイトをリニューアルするタイミングでサーバーも乗り換えたい、というケースがあります。まとめて対応できれば効率的に見えますが、作業が複雑に絡み合うため、手順を誤るとサイト停止やSEOへの影響が生じることがあります。

この記事では、リニューアルとサーバー移転を同時に進めるときの順序と注意点を整理します。

リニューアルと移転を同時に行う際のリスク

リニューアルとサーバー移転を同時に進めると、次のような問題が重なりやすくなります。

問題の原因が特定しにくくなる

移転後にサイトが正常に表示されない場合、原因が「新サーバーへの移行の問題」なのか「リニューアルのコードの問題」なのかを切り分けるのが難しくなります。問題を個別に把握できる体制にしておくことが重要です。

SEOへの影響が重なる

ドメイン変更・URL構造の変更・サーバー変更のどれか1つでも、検索順位に一時的な影響が出ることがあります。複数の変更を同時に行うと、影響の範囲と原因が把握しにくくなります。

切り戻しが難しくなる

問題が発生した際に旧サーバー・旧サイトに戻す(切り戻す)必要が生じた場合、リニューアルと移転が絡み合っていると対処が複雑になります。

推奨する作業の順序

リニューアルとサーバー移転を同時に進める場合、次の順序で作業するとリスクを最小化できます。

パターン1:先に移転、後でリニューアル

旧サイトのまま新サーバーへの移転を完了させてから、新サーバー上でリニューアル作業を行います。

この順序のメリットは、移転の動作確認を旧サイトで行えるため、問題が起きたときの原因特定が容易な点です。移転が完了した後にリニューアル作業を始めることで、両方の作業を独立して管理できます。

パターン2:先にリニューアル、後で移転

旧サーバー上でリニューアル作業を完了させ、新サイトが旧サーバーで正常に動作していることを確認してから移転を行います。

新しいサイトのデータを移転することになるため、移転後に改めて新サイトの動作確認が必要です。ただし、新サイト自体の問題と移転の問題を切り分けやすい利点があります。

パターン3:同時並行(リスクが高い)

新サーバー上でリニューアルと移転作業を同時に行います。最も効率的に見えますが、問題が起きたときの切り分けと切り戻しが最も難しくなります。

経験のある担当者がいて、作業期間を十分に確保できる場合に限って検討してください。

ドメインを変更する場合の追加作業

リニューアルに合わせてドメインも変更する場合は、さらに作業が増えます。

旧URLから新URLへのリダイレクト設定

ドメインやURL構造を変更する場合、旧URLから新URLへの301リダイレクトを必ず設定してください。リダイレクトを設定しないと、旧URLをブックマークしているユーザーや、旧URLに向いている外部リンクが機能しなくなります。SEOの観点からも、301リダイレクトは「旧ページの評価を新ページに引き継ぐ」ために重要です。

Googleサーチコンソールへの対応

ドメインを変更した場合は、Googleサーチコンソールで「アドレス変更」の申請を行うことをおすすめします。これにより、Googleに対してドメイン変更を明示的に通知できます。

また、新しいサイトマップを作成してサーチコンソールに送信することで、新URLのインデックスを促進できます。

WordPressのリニューアルで注意すること

WordPressサイトのリニューアルでは、テーマ変更・URL構造変更・プラグイン変更が絡むことが多く、データベースへの影響が大きくなります。

テーマ変更時のデータベース確認

テーマを変更すると、カスタムフィールドやショートコードの形式が変わり、既存コンテンツが正しく表示されなくなることがあります。リニューアル後のサイトでは、全ページの表示を確認してから公開することをおすすめします。

パーマリンク構造の変更

記事URLの形式(パーマリンク)を変更する場合は、旧URLから新URLへのリダイレクト設定が特に重要です。WordPressの「設定 → パーマリンク」で変更後、.htaccessが更新されていることを確認してください。

SEOへの影響を最小化する対策

リニューアルとサーバー移転の前後でSEOへの影響を抑えるために、次の対策を取ることをおすすめします。

作業前の現状把握

移転・リニューアル前に、Googleサーチコンソールで主要なページの検索順位・クリック数・インデックス状況を記録しておきます。移転後の影響を比較するための基準値として活用できます。

移転・リニューアル後のインデックス確認

作業後1〜2週間は、Googleサーチコンソールでインデックス状況と検索パフォーマンスを定期的に確認します。大きな落ち込みがある場合は、リダイレクトの設定漏れや新サーバーへのクローラーのアクセスに問題がないかを確認してください。

作業前に準備すること

リニューアルと移転を同時に進める場合は、次の準備を整えてから作業を開始してください。

まとめ

リニューアルとサーバー移転を同時に行う場合、作業の順序を決め、問題が起きたときに原因を切り分けられる体制を作ることが最も重要です。

ドメイン変更を伴う場合は301リダイレクトとGoogleサーチコンソールへの対応が必須です。作業の複雑さに応じて、専門家に手順の確認または作業の一部を依頼することも検討してください。