レンタルサーバーへHTMLや画像を置くとき、管理画面のファイル機能または転送用プロトコルを使います。FTP・FTPS・SFTPは名前が似ていますが、接続方式と暗号化が異なります。SFTPとFTPSは通信を暗号化できますが、従来のFTPには暗号化がありません。利用中のサーバーが提供する暗号化方式に合わせて接続します。
FTPはファイルを運ぶ役割の名前として理解する
FTPは利用者の端末とサーバーの間でファイルや一覧をやり取りするプロトコルです。WebサイトではHTML・画像・CSSなどを公開ディレクトリへ置く用途があります。転送しただけでページが公開されるのではなく、ドメインが参照する公開先へ正しい名前で配置されて初めて表示されます。
従来のFTPは認証情報や通信を保護しない構成があるため、業務利用で無条件に選びません。レンタルサーバーの管理画面に「FTPアカウント」と書かれていても、実際にはFTPSやSFTPを提供する場合があります。名称だけで判断せず、公式マニュアルのプロトコル・ホスト・ポート・暗号化方式を一組で確認します。
SFTPとFTPSは同じ暗号化FTPではない
SFTPはSSHの上でファイルを扱う仕組みです。SSHの通信層は暗号化・サーバー認証・完全性保護を提供します。FTPSはFTPへTLSを組み合わせる方式で、SFTPとは別のプロトコルです。接続ソフトで方式を誤ると、ホスト名とパスワードが正しくても接続できません。
どちらを使うかはサーバーの対応に合わせます。SFTPが使えるならそれを選ぶという固定ルールではなく、事業者が保守する安全な方式を使います。FTPしか選べない場合は、管理画面のファイル機能や接続元制限など代替策を確認します。暗号化されていることに加え、初回接続時のサーバー識別情報を検証できることも大切です。
ファイルをアップロードする基本の流れ
FileZillaなどの対応ソフトで、接続先を登録してファイルを転送できます。特定のソフトを使うことが必須ではありません。基本の順序は次のとおりです。
- サーバーの管理画面や案内メールで、ホスト名と対応する接続方式を調べる。
- 転送ソフトへ方式・ホスト名・ポート・ユーザー名と認証情報を登録する。
- 接続先の証明書やホスト鍵を照合し、対象ドメインの公開フォルダを開く。
- 上書きする既存ファイルを退避し、必要なファイルだけを転送する。
- 対象URLをブラウザーで開き、文字や画像の表示を確認する。
FTPの接続情報をSFTPの欄へ入れるだけでは、方式は切り替わりません。必要なのはプロトコル・ホスト名・ポート・利用者名・認証方法・接続先です。標準ポートが使われるとは限らないため、推測で入力しません。パスワードまたは鍵は安全な保管先から参照し、記事や作業票へ平文で残しません。制作会社へ渡す場合は、専用の作業アカウントを発行できると、契約者のIDを共有せずに済みます。
アカウントが到達できるディレクトリも確認します。複数サイトが同じ契約にある場合、対象サイトだけへ権限を絞れるなら分けます。読み取りだけで足りる確認作業へ書き込み権限を与えません。作業期限と停止日を決めると、委託終了後のアカウント残存を防げます。
初回接続ではサーバーの識別情報を確かめる
SFTPで初めて接続すると、サーバーのホスト鍵を確認する画面が出る場合があります。警告をそのまま承認せず、レンタルサーバーが示す指紋や管理者から受け取った値と照合します。以前接続したサーバーで鍵が変わった警告が出た場合も、サーバー移転や保守による変更かを確認します。
接続後はすぐアップロードせず、現在のディレクトリと既存ファイルを読み取ります。対象ドメインの公開先か、検証用か、本番かを確認します。ソフトの左右パネルは製品によって配置が異なるため、見た目だけでドラッグ方向を決めません。初めて使う接続先なら、上書きのない小さなファイルで転送を試せます。
公開作業は退避・転送・検収に分ける
上書きするファイルは事前に取得し、更新前の版として保管します。フォルダ全体を無条件に同期すると、サーバー側だけにある画像や設定を削除する場合があります。変更対象と公開時刻を決め、WordPress本体や設定ファイルを通常のページ更新と同じ扱いにしません。
転送後は対象URLをブラウザーで開き、画像やCSSも表示されるか確認します。社内だけ表示が違う場合には、スマートフォンの回線などで比べると、社内ネットワークやキャッシュの影響を分けられます。問題があれば、公開先・ファイル名の大文字小文字・権限・キャッシュを分けて確認します。戻す必要があれば退避した版を使います。
接続エラーは工程ごとに切り分ける
接続前に止まる場合は、方式・ホスト・ポート・ネットワーク制限を確認します。認証で止まる場合は利用者名・パスワードまたは鍵・アカウント状態を確認します。接続後に一覧が見えない場合は権限と開始ディレクトリが対象です。タイムアウトだけを見てパスワードを何度も変更しません。
転送できても公開されない場合は接続問題ではありません。対象ドメインのドキュメントルートと、Webサーバーが読むファイル名を確認します。障害調査では接続ソフトのログから時刻と段階を保存します。
WordPressで記事や画像を投稿するだけなら、普段はWordPressの管理画面を使えます。FTP・SFTPが必要になるのは、HTMLを直接置くときや、管理画面では扱えないファイルを保守するときです。接続手段が違っても、公開先のファイルを変更している点は共通しています。