Webサイトのファイルをサーバーにアップロードするとき、「FTP」という言葉をよく目にします。制作会社からファイルを受け取ったり、自分でHTMLを修正してアップロードしたりする場面で必要になる知識です。
この記事では、FTPとSFTPの基礎知識と、レンタルサーバーへの接続・ファイルアップロードの方法を整理します。
FTPとは何か
FTP(File Transfer Protocol)は、コンピューターとサーバーの間でファイルを送受信するための通信規格(プロトコル)です。
Webサイトを公開するには、作成したHTMLファイルや画像ファイルをレンタルサーバー上の所定のフォルダに置く必要があります。このファイルの転送を行うのがFTPです。
FTPを使うには、サーバーのFTP接続情報(ホスト名・ユーザー名・パスワード・ポート番号)と、FTPクライアントと呼ばれるソフトウェアが必要です。
FTPとSFTPの違い
FTPには通常のFTPと、暗号化されたSFTPがあります。
通常のFTP
FTPはファイルだけでなくIDやパスワードも平文(暗号化されていない状態)で送受信します。通信経路上で第三者に情報が盗まれるリスクがあります。現在は、セキュリティ上の理由からSFTPを使うことが推奨されています。
SFTP(SSH File Transfer Protocol)
SFTPはSSH(セキュアシェル)による暗号化を利用したファイル転送プロトコルです。通信内容が暗号化されているため、パスワードなどの情報が第三者に傍受されるリスクがありません。
主要なレンタルサーバーはほぼSFTPに対応しています。可能であれば、通常のFTPではなくSFTPを使って接続することをおすすめします。
FTPS との違い
FTPSはFTPにSSL/TLSによる暗号化を追加したプロトコルです。SFTPとFTPSは名前が似ていますが、内部の仕組みが異なります。どちらも暗号化されており、FTPより安全です。接続する場合はサーバー側がどのプロトコルに対応しているかを確認してください。
FTP接続に必要な情報
FTPで接続するには、レンタルサーバーから次の情報を確認しておく必要があります。
- ホスト名(FTPサーバー名): サーバーのアドレス(例:
sv12345.xserver.jp) - ユーザー名: FTPアカウントのID
- パスワード: FTPアカウントのパスワード
- ポート番号: FTPは通常21番、SFTPは通常22番
これらはレンタルサーバーの管理画面(コントロールパネル)の「FTP設定」「サーバー情報」などのメニューから確認できます。
FTPクライアントソフトウェア
FTPでサーバーに接続するには、FTPクライアントと呼ばれるソフトウェアを使います。代表的なものは次のとおりです。
FileZilla(無料)
Windows・Mac・Linuxに対応した無料のFTPクライアントです。FTPとSFTPの両方に対応しており、直感的な操作で使いやすいため広く使われています。初めてFTPを使う場合にも向いています。
Cyberduck(無料)
Mac・Windowsに対応した無料のFTPクライアントです。SFTPやクラウドストレージにも対応しています。
WinSCP(Windowsのみ・無料)
Windowsに特化したFTP・SFTPクライアントです。安定した動作と多機能が特徴で、Windows環境で広く使われています。
FileZillaでサーバーに接続する手順
FileZillaを使ってレンタルサーバーに接続する基本的な手順を説明します。
接続の手順
FileZillaをインストールして起動し、サーバーへの接続情報を入力します。
- FileZillaを起動し、上部の「クイック接続」バーにホスト名・ユーザー名・パスワード・ポートを入力する
- SFTPで接続する場合は、ホスト名の前に
sftp://を付ける(例:sftp://sv12345.example.jp) - 「クイック接続」ボタンをクリックする
- 初回接続時に「このサーバーの証明書を信頼しますか」というダイアログが表示される場合は、内容を確認して「OK」をクリックする
- 接続が成功すると、右側のパネルにサーバーのディレクトリ構造が表示される
ファイルのアップロード
接続後、ローカルのファイルをサーバーにアップロードします。
- 左側のパネルで、アップロードしたいファイルやフォルダを選択する
- 右側のパネルで、アップロード先のディレクトリ(Webサイトの公開ディレクトリ。
public_htmlやwwwなど)を開く - 左側のファイルを右側のパネルにドラッグ&ドロップするか、右クリックして「アップロード」を選択する
Webサイトのファイルは通常、public_htmlまたはwwwという名前のディレクトリ(フォルダ)の中に置きます。配置場所が違うとサイトが表示されないため、サーバーのマニュアルで確認してください。
よくある接続トラブルと対処
FTP接続で起きやすいトラブルと、その対処方法をまとめます。
接続できない(タイムアウトする)
ポート番号が間違っている可能性があります。FTPは21番、SFTPは22番が標準ですが、サーバーによって異なる場合があります。サーバーの管理画面で正しいポート番号を確認してください。
また、ファイアウォールがFTP/SFTPの通信をブロックしている場合があります。社内ネットワーク環境では、ポートの使用が制限されていることがあります。IT担当者または接続先のサーバー会社に確認してください。
認証エラーが出る
ユーザー名またはパスワードが間違っています。コピー&ペーストでも前後にスペースが入ることがあるため、手動入力でも試してみましょう。パスワードを忘れた場合はサーバーの管理画面から再設定できます。
ファイルをアップロードしたのにサイトに反映されない
アップロード先のディレクトリが間違っている可能性があります。サーバーのドキュメントルート(公開ディレクトリ)がpublic_htmlなのかwwwなのかを確認し、正しい場所にアップロードしてください。
ブラウザのキャッシュが残っている場合は、ページを強制リロード(Ctrl+F5またはCmd+Shift+R)して確認します。
まとめ
FTPはWebサイトのファイルをサーバーに送受信するための仕組みです。現在はセキュリティの観点からSFTPを使うことが推奨されており、主要なレンタルサーバーはほぼ対応しています。
接続にはホスト名・ユーザー名・パスワード・ポート番号の4つの情報が必要です。FileZillaなどの無料クライアントを使えば、GUIで操作できるため専門知識がなくても扱えます。