ヘテムルは、複数のWordPressサイトを同じ担当者や制作会社が管理する場合に検討しやすい共用レンタルサーバーです。マルチドメインとデータベースを追加できますが、サイト数が多いだけで選ぶと、障害や権限管理の影響範囲まで一つにまとめてしまいます。

判断の要点は、1契約あたりの料金ではなく、同じ管理権限と保守時間で扱ってよいサイトかどうかです。事業部ごとに担当や制作会社が異なる場合は、契約を分けた方が引き継ぎや障害対応をしやすいことがあります。

現行プランの料金と容量を確認する

公式料金ページでは、共用サーバーの料金は36か月契約で月額1,430円、12か月契約で月額2,255円です。初期費用はなく、Web・メール・データベースを合わせたSSD容量は600GBです(2026年7月22日確認)。以前の月額1,100円や200GBという情報は現行仕様ではありません。

契約期間が短いと月額単価は上がります。複数サイトを移すには、DNSとメールの切り替えが必要です。SSLやフォームの確認もあるため、月額差だけで長期契約を決めない方が良いです。最初に代表サイトを一つ移し、更新と復元を経験してから残りを集約する進め方もあります。

600GBは余裕のある容量ですが、バックアップファイルや動画をWordPress内へ置き続けると消費が早くなります。サイト別の使用量を確認できる運用にし、公開用データと長期保管データを分けます。容量が大きいことを、整理しなくてよい理由にはしません。

複数サイトを置くと影響範囲も広がる

公式機能一覧では、マルチドメインとデータベースを無制限としており、複数のWordPressを一つの契約へ設置できます。ただし、無制限は性能や運用上の影響がなくなるという意味ではありません。共用サーバーのリソースと契約の管理権限は共有します。

一つのWordPressが不正利用され、大量のメール送信や高負荷を起こした場合、同じ契約にあるほかのサイトの運用にも影響する可能性があります。契約更新を忘れた場合も、収容しているサイトがまとめて対象になります。サイト数を増やすほど、更新責任と緊急連絡先を明確にする必要があります。

同じ会社のブランドサイトを一人の担当者が管理するなら、集約によって請求と設定を整理できます。複数の顧客サイトを預かる制作会社では、顧客ごとの解約とデータ返却まで想定します。管理画面の引き渡し条件も必要です。独立した権限や請求が必要なサイトは、同じサーバーへ置けても別契約にした方が扱いやすいです。

バックアップは復元できる範囲で評価する

ヘテムルは1日1回の自動バックアップを案内しています。さらに有料のバックアップオプションでは、専用画面から任意のバックアップと最大7世代の管理、復元ができます。どちらを使う場合も、対象データと復元方法を契約時に確認します。

複数サイトを運用する環境では、一つのサイトだけを戻したい場面があります。サーバー全体を同じ時点へ戻すと、正常なサイトの更新まで失う可能性があるためです。WordPressのファイルとデータベースをどの単位で復元できるか確認します。メールの扱いも調べ、代表サイトで手順を試しておきます。

制作会社が独自のバックアップを取る場合は、保存先を同じサーバー内だけにしません。契約停止やサーバーへ入れない障害でも取り出せる場所へ保管し、退職や委託終了後も会社がアクセスできるようにします。

電話サポートの時間と範囲を見る

電話サポートは無料ですが、公式ヘルプに記載された受付時間は平日10時から18時です(2026年7月22日確認)。以前の17時までという説明から変更されていますが、夜間や休日に電話できる体制ではありません。

また、プログラムの設置や設定は電話サポートの対象外です。MySQLとSSHも対象外と案内されています。WordPressの表示崩れやプラグインの不具合を、サーバー会社が解決してくれるとは限りません。サーバーの問題かWordPressの問題かを切り分ける担当者は別に必要です。

休日にも更新するサイトや、停止が売上へ直結するサイトでは、制作会社の保守契約を含めて連絡体制を決めます。サポート窓口の有無だけでなく、受付時間と回答範囲を確認します。自社が行う一次確認も並べて判断します。

集約に向くサイトと分けたいサイトを見極める

ヘテムルへまとめやすいのは、所有者が同じで、更新担当者と停止時の優先順位も共通する複数サイトです。キャンペーンサイトやブランドサイトなど、同じ制作会社が保守するサイトなら、管理画面と請求を一つにする効果を得やすくなります。

顧客企業が異なるサイト、医療や会員機能など扱う情報の責任が異なるサイト、停止許容時間が大きく違うサイトは慎重に考えます。一つの契約へ置く技術的な可否ではなく、事故時に同じ判断で対応できるかが分かれ目です。

サーバーを分ければ安全になるとは限りません。ただし、認証情報と請求を分け、解約や障害の範囲も分離できます。集約による作業削減と、一つの問題が及ぼす範囲を比較します。

サイト台帳を作ってから契約する

契約前に、移す候補のサイト名と所有者を一行ずつ記録します。更新担当者、制作会社、使用容量も必要です。メールの有無と停止時の連絡先を加えると、移行後の担当範囲が見えてきます。この情報が同じなら、ヘテムルへ集約する判断には一貫性があります。

担当者や責任範囲が混在する場合は、すべてを一度に移しません。代表サイトでバックアップと復元を試します。問い合わせ時間と更新手順も確認し、同じ運用を適用できるサイトだけを追加します。ヘテムルの大容量とマルチドメインは、その順番を守ったときに管理の効率化へつながります。