サーバー移転でDNSを切り替えた後、「サイトは表示されているが何かおかしい」という状況はよく起きます。画像が表示されない、フォームが送信できない、メールが届かない──これらは移転後の確認不足が原因であることがほとんどです。
この記事では、DNS切り替え後に確認すべき項目をチェックリスト形式でまとめます。移転作業の仕上げとして活用してください。
チェックリストを使うタイミング
このチェックリストは、次のタイミングで使います。
DNS切り替え直後はDNSの伝播中であるため、確認するたびに結果が変わることがあります。TTLを短縮していた場合は切り替えから30分〜1時間後、長いTTLのままだった場合は数時間〜翌日に確認するのが確実です。
Webサイトの基本確認
サイト表示の基本的な動作を確認します。
表示の確認
サイトが新サーバーから正しく表示されていることを確認します。
- [ ] トップページが正しく表示されるか
- [ ] 内部ページ(会社概要・サービスページなど)が表示されるか
- [ ] 画像・CSS・JavaScriptが正常に読み込まれているか
- [ ] メニューのリンクが正しいURLに遷移するか
新サーバーから表示されているかの確認
DNSの伝播中は、一部のアクセスが旧サーバーに向かっている可能性があります。新サーバーのIPアドレスが返ってきているかを確認します。
ターミナルやコマンドプロンプトでnslookup ドメイン名またはdig ドメイン名を実行し、返ってくるIPアドレスが新サーバーのものであることを確認してください。
SSL(HTTPS)の確認
SSL証明書が正しく設定されているかを確認します。
- [ ]
https://でサイトにアクセスできるか - [ ] ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されるか
- [ ]
http://にアクセスしたときにhttps://にリダイレクトされるか - [ ]
wwwあり・なし両方のURLで正しくアクセスできるか - [ ] 混在コンテンツ(Mixed Content)の警告が出ていないか(ブラウザの開発者ツールのコンソールで確認)
メールの確認
メールを同じサーバーで運用している場合は、送受信の動作を確認します。
- [ ] 新サーバーのウェブメールでテストメールを送受信できるか
- [ ] 外部から自社ドメイン宛のメールが届くか(Gmailなど外部アカウントからテストメールを送る)
- [ ] 自社ドメインから外部宛にメールを送信できるか
- [ ] 送信したメールが迷惑メールに分類されていないか
- [ ] すべての端末(PC・スマートフォン・タブレット)でメールクライアントが新サーバーの設定で接続できるか
- [ ] SPFレコードが新サーバーの情報に更新されているか
WordPressの確認
WordPressを使っている場合は、追加で以下を確認します。
URL・ページの確認
WordPressのURL設定とデータベース内のURLが正しいかを確認します。
- [ ] WordPress管理画面にログインできるか
- [ ] 管理画面の「設定 → 一般」でWordPressアドレスとサイトアドレスが正しい
https://のURLになっているか - [ ] 記事・固定ページが正しく表示されるか
- [ ] 記事内の画像が表示されるか(データベース内のURLが旧ドメインのままでないか)
- [ ] 内部リンクが旧ドメインのままになっていないか
機能の確認
サイトの各機能が正常に動作するかを確認します。
- [ ] 問い合わせフォームの送信・受信が動作するか
- [ ] 会員ログイン機能がある場合はログインできるか
- [ ] 決済機能がある場合は動作するか(ステージング環境でのテスト推奨)
- [ ] プラグインが正常に動作しているか(特にキャッシュ系・フォーム系・SEO系)
リダイレクトの確認
旧URLから新URLへのリダイレクトが正しく設定されているかを確認します。
- [ ] ドメインが変わった場合、旧ドメインから新ドメインに301リダイレクトが設定されているか
- [ ]
wwwあり・なしのどちらかに統一するリダイレクトが機能しているか - [ ] 旧サーバーにアクセスした場合に新サーバーに転送されるか
パフォーマンスの確認
新サーバーでのサイト表示速度に問題がないかを確認します。
- [ ] ページの読み込み速度が移転前と同等かそれ以上か(Google PageSpeed Insightsなどで確認)
- [ ] 管理画面の動作が遅くなっていないか
問題が見つかった場合の対処
チェック中に問題が見つかった場合の主な対処方法をまとめます。
画像・内部リンクが旧ドメインのままになっている
WordPressのデータベース内に旧ドメインが残っているため、URLの一括置換が必要です。WP-CLIが使える場合はwp search-replace 旧ドメイン 新ドメインで対処できます。
メールが迷惑メールに分類される
SPFレコードの設定が新サーバーの情報に更新されていない可能性があります。ドメイン管理会社の設定画面でTXTレコード(SPFレコード)を確認し、新サーバーが指定するSPF値に更新してください。
Mixed Contentの警告が出る
ページ内にhttp://のリソース(画像・CSS・スクリプトなど)が残っています。WordPressの場合はプラグイン(Really Simple SSLなど)を使ってhttp://をhttps://に一括変換するか、個別に修正します。
DNS切り替えから数時間経ってもまだ旧サーバーが返ってくる
TTLが長いままだった可能性があります。変更前のTTL値の時間が経過するまで待つ必要があります。一方、自分のネットワーク環境のDNSキャッシュが残っている場合は、ルーターの再起動またはipconfig /flushdns(Windows)・sudo dscacheutil -flushcache(Mac)でキャッシュを削除することで確認できます。
確認完了後のまとめ作業
すべての確認が完了したら、次の後処理を行います。
- 旧サーバーに1〜2週間アクセスがないことを確認してから解約する
- hostsファイルを書き換えていた場合は元に戻す
- WordPressのキャッシュプラグインのキャッシュをクリアする
- サイトマップをGoogle Search Consoleに送信する(URLやドメインが変わった場合)
まとめ
サーバー移転の成否は、DNS切り替え後の確認作業で決まります。WebサイトのSSL・メール・WordPressの動作確認を1つひとつ確認してからはじめて移転が完了したと言えます。
問題が見つかった場合は早めに対処することで、利用者への影響を最小限に抑えられます。対処が難しい問題については、専門家への相談も検討してください。